自分で考えてゴールにたどり着く、大きな寄り道、廻り道があってもいい

投稿者: | 2016年5月4日

こんにちは。
冒険工作ランド 八坂です。
今日は、ホームページやワークが始まる前に、お伝えしなければならない事を書きました。

工作、何かをつくる、考えて始めるということは、子どもが自分自身で立案計画していく、最初のプロジェクトのようなものです。

「ここにある材料をどれを使ってもいいから、何かやってみてごらん。じゃ、何があるかぐるっと見てみましょうか」
初めて冒険工作ランドに訪れた子どもさんには、こう言って部屋中の材料を見てもらっています。

そうすると、
「粘土がある!」
「この色がきれいなモカモカしたものはなに?」
「大きな段ボールがある、あれ使ってもいいの?」
「きれいなビーズをつないで、ネックレス作りたい」
と、それぞれにアイデアが浮かびそれを実行します。

その中でも、頭の中で何を作ろうとあれこれ試行錯誤をしながら、ちょっとずつ材料を触っては次のものという子どもさんもいます。ぞくに言う「ピンとくるものがない」そんな状態なのだと思います。
そういう時は私たちスタッフは、本人がとにかく何かにたどり着くまで少し離れて見てみたり、やってみたいけれど言いだせない、そんな様子の時には声をかけてみたりします。

決して、
「これを使ってこれを作りなさい」
そういう風には言いません。

この段階で保護者の方は、とにかく何か工作らしきことをして欲しいと、ハラハラされている事もあります。つい我慢しきれずに「これこれをやりなさい」と指示をしてしまう方もいらっしゃいます。

ここで、お願いです。
冒険工作ランドは、親子で楽しむイベントというよりは
「子どもが楽しむ」ワークショップです。

「これこれをやりなさい」
というのは、保護者の方の意思が入ります。その段階で、子どもさんの自由な意思に任せた工作ではなくなってしまいます。それまでいっぱい頭の中でぐるぐると長い道のりを考えていたのに、指示されたとおり、言われたことをやってしまう、という簡単なゴールへ行き先を変えてしまうことになるのです。

冒険工作ランドでは、何よりも子どもさんが自分で考えて自分で手を動かし形にしていく事を応援しています。その過程で、沢山の試行錯誤もでてきます。ある形を切りぬこうとして、その下絵を何度も何度も練習したりもします。結局満足した形が時間中に書けないこともありました。
また、小学生前の年代の子どもさんが、水を何度もコップからコップへ注いでいくこともあります。最初はばしゃばしゃこぼれても、何度もやるうちに加減が分かって、最後には上手には注ぐことができるようになります。

こういった「行為、行動、考えること」もすべてひっくるめて「冒険工作」ととらえています。

ぜひ、完成品だけではなく、このチャレンジする姿もご覧になってください。
遠く曲がりくねった道のりを乗り越えてゴールに到達した子どもさんは、みな大いに満足した表情をしています。

そうして、90分いっぱい時間を使わなくても、満足してしまったら、
「これで終わり」
と、部屋の隅で一休みに入る子どもさんもいます。
「やり切ったから、あとはぼんやりしていたい、あや取りでもしているよ、塗り絵でもしようかな」
そんな風にして過ごしています。
もちろん、それも冒険工作の一部になります。

日々、勉強やクラブ活動、スポーツや習い事をいっぱいされていると思います。
冒険工作ランドは、その中でも「工作して遊んで一休みできる時間」と捉えていただければ幸いです。